コーヒー豆はさまざまな地域で作られています。
基本的に赤道付近のコーヒーベルトと呼ばれる地域で生産されていますが、コーヒーベルトといえど地球一周分あるわけですから生産地域は広大なものになります。
そのなかで大きく分けるとしたらこの三地域です。
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アフリカ(エチオピア、イエメン、ケニア、ルワンダなど)
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アジア(ベトナム、インドネシア、台湾など)
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中・南米(コスタリカ。ブラジル、コロンビア。パナマ、ハワイなど)
現在はスペシャルティコーヒーの生産方法が成熟化してきていまして、生産者同士での情報交換などが積極的に行われているため、技術的に大きく出遅れている地域はさほどありません。まだ、未開拓の産地などはありますが…。そのへんは今後も期待大です。
では何故、産地によって味わいの違いが現れてくるのでしょうか?
そこには自然環境と生産による経済活動に違いの背景が見えてきます。
アフリカ
コーヒーの生産地のスタート地点と言えるアフリカはエチオピアやイエメンなどの地域には多種多様の品種が隠されています。おそらく、まだ名前も付けられてないような品種が存在することは想像に難しくありません。
この野生種のような品種たちがイルガチェフなどの独特な紅茶のような風味を生み出してる共言えるでしょう。
この様々な品種と、極々小規模な農園が集まり一つの共同体となって(日本でいう農協の様な団体)で生産する仕組みが見られます。
一方、ケニアやルワンダなどは国が主導し、生産者を指導、育成していくことが特徴的といえます。特にケニアではコーヒー研究所が非常に発展しており品種開発に暇がありません。
ケニアのコーヒーの品種はだいたいSL○○番などアルファベットと数字の組み合わせになっています。これはコーヒー研究所によって開発された品種でどの研究所で何番目に作られた品種ということを示すものです。
また、ルワンダ周辺ではポテトフレーバーと呼ばれる芋のような香りに悩まされることが多く見られます。これはコーヒーの果実を食す虫による影響であることがわかってきています。
アフリカでは生産者のほとんどが小規模生産者であるため、組合や団体での輸出にとなっています。そのため、スペシャルティコーヒーを扱う多くのお店でも「イルガチェフ」などの地域名や「○○ウォッシングステーション」「○○ファクトリー」などの団体名になってると思います。
アジア
主にロブスタ種を生産するベトナムと独特の精製方法で知られるインドやインドネシア、急激にレベルアップしてきている台湾。
ロブスタ種の栽培が多く見られるのが何よりの特徴で大量の練乳を入れて飲むベトナムコーヒーなどロブスタ種を楽しんでいるようです。
インドやインドネシアはまだ船で世界を回っていた時代にヨーロッパに集荷する際に長く海風にさらされたコーヒーを思わせるスマトラ式と呼ばれる精製方法が取られています。
生豆を長く風通しのよい倉庫に保存しモンスーンと呼ばれる湿った風に晒されながら乾燥工程を進めて行きます。このスマトラ式のコーヒーは酸味が抑えられ特徴的な質感が味わえます。まさにこれこそこの地域でしかできない精製方法と言えます。
台湾はいままさに注目の地域なのですが、どのような生産背景があるのかまだまだ情報が少なくここにまとめることができません。しかし、国際カッピングテストでかなりの点数をたたき出していることや多くのロースターが興味を持っていることは事実です。まさにこれからの生産地域です。
中南米
火山灰質の豊かな土地を持つコスタリカなどの火山地域。
大型生産を行うブラジル。コロンビア。
コーヒーの生産国としては経済的に発展している地域が多く(あくまで生産地としてはです。まだまだ貧困に苦しんでいる方々は多くいらっしゃいます。そのために僕らロースターが頑張らねば…)農園もアフリカやアジアと比べると大型化しています。とくにブラジルなど。
農園名を冠したコーヒー豆をよく見かけるかと思いますが中南米のものがほとんどだと思います。
また、コスタリカを中心に精製処理の技術革新が進んでいることも特徴的です。
いまでは珍しくなくなったパルプドナチュラルなどもコスタリカなどから広まったものです。
1970年代ごろから技術革新が広まり大量生産が可能になり多くの農園オーナーは高い利益を獲得することができるようになっていましたがブラジルなどに代表される旧式の価格決定方法(欠点豆の混入率による減点方法やコーヒー豆のサイズによる方式)により無個性なコーヒーが良いとされてきた影響で一時は利益が落ち込んでいましたがCOEなどによる味覚テストによる採点方式とオークションによる価格決定方式を基準にすることでより素晴らしいコーヒーがこれからも発見されていくことが期待されています。
……………しかし、1記事にまとめるのは無理がありますね。
とりあえず読んでくれたみなさまありがとうございます。
とにかく生産地にはいろいろな背景と自然環境が有りそこでしか育つことのない風味を有したコーヒーを生産しています。個性的で魅力的なコーヒーがどんな地域で育てられているのか想像するのも楽しいもんです。
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